コンサート・イベント情報

12/23(土)「“シャ・ノワール”/古きよきパリを彩った魅惑の調べ」コンサート レポート

群馬県近代美術館 「陶酔のパリ・モンマルトル1880~1910」 展

~「シャ・ノワール(黒猫)」をめぐるキャバレー文化と芸術家たち~

 が、2011年12月23日(金・祝)より始まりました。ここでは、ベル・エポックの時代と呼ばれる時代のパリ・モンマルトルにあった伝説のキャバレー「シャ・ノワール(黒猫)」に集った芸術家たちによって繰り広げられた展覧会、影絵芝居、コンサート、サーカスなどを描いた絵画や関連するポスター、公演プログラム、雑誌、写真、上映資料等、キャバレー文化と娯楽という視点から、当時の前衛芸術、大衆芸術を紹介する展覧会で、実に多くの資料が展示されています。

また、当時シャ・ノワールにあった影絵用のスクリーン部分が縮小して再現されたコーナーや、当時に制作された娯楽映画の上演があり、その楽しいベル・エポックの雰囲気に浸ることができます。また、ミュージアムショップでも、“黒猫”にまつわる可愛いグッズも充実していますので、ぜひ楽しみに!

そして、この展覧会の関連コンサートイベントとして、オープニングとなった23日の午後2時から、

企画内コンサート「“シャ・ノワール”/古きよきパリを彩った魅惑の調べ」

が1階ホールで開催されました。今回は、当社音楽教室講師で、群馬交響楽団首席チェロ奏者の柳田耕治さんと、ピアニストの中島章恵さんが演奏され、実に200名を超えるお客様がお越しになり、大盛況となりました。

テーマが、1880年~1910年のパリ・モンマルトルということもあり、フランスの作品がプログラムに並びました。なお使用ピアノは、当社より提供の1910年製のプレイエル・グランドピアノです。

冒頭、フランス・バロック時代のクープランの「演奏会用小品集」から始まり、サン=サーンス「白鳥」、マスネ「エレジー」、フォーレ「シシリエンヌ」、ラヴェル「亡き王女のためのパヴァーヌ」、フランクのヴァイオリンソナタ中の「レチタティーヴォとファンタジア」が演奏され、柳田先生のユーモアたっぷりのトークを交えながら進行しました。優雅に歌うチェロと素晴らしい音色を奏でるピアノに、お客様もたちまちうっとりと聞き入りました。

なお、今回使用したピアノと同年代で同モデルのピアノを、サン=サーンスやマスネが実際に使用していたそうで、フォーレも同じモデルのピアノで連弾を楽しんでいる写真が残されています。

そしてピアノ・ソロで、エリック・サティのジムノペティ第1番、グノシエンヌ第1番、Je te veux(あなたが欲しい)が優雅に演奏されました。サティはこの「シャ・ノワール」に集った芸術家の一人で、生活のためにここでピアニストとして働いており、今回演奏された「Je te veux(あなたが欲しい)」などの有名な歌曲が作曲されたことは広く知られています。

そして、最後に再びチェロとピアノで、シャンソンの名曲から「ママ教えて」と「ムーラン・ルージュの歌」が演奏されました。ベル・エポック時代と言われたこの時代の「シャ・ノワール」で歌われたような酒場の歌から今日のシャンソンが発展した事もあり、展覧会の雰囲気ともピタリと一致して、お客様も惹き込まれてきました。そして盛大な拍手に応えて、アンコールには今回の展覧会に展示されている、当時実際にパリで歌われていたシャンソン「居酒屋シュレスネ」(Le Mastroquet de Suresnes)が演奏され、その楽しい曲調にお客様から自然に手拍子が起こり、いにしえのパリの雰囲気に満たされながらコンサートを締めくくりました。

終演後にはプレイエル・ピアノにお客様が集まり、その音色の素晴らしさと共に、興味津々とピアノをご覧になっておられました。このピアノは、今回の企画展の期間中(12/23~3/25)に展示されています。また2月11日には、2回目のコンサートが開催予定ですので、是非ご期待下さい!!