演奏者: 井上裕子
場所: 高崎シューベルトサロン(ピアノプラザ群馬内)
日付: 2008年3月15日(土) 13:00~13:50
【プログラム】
◎J.S.バッハ: 前奏曲とフーガ BWV.846
~平均律クラヴィーア曲集第1巻より~
◎ラモー: ガボット ~新クラブサン曲集より~
◎F.クープラン: 神秘のバリケード ~クラブサン曲集第2集 第6組曲より~
◎D.スカルラッティ: ソナタ K.492
◎J.S.バッハ: イタリア協奏曲 BWV.971 より第一楽章
会場はいつものショーベルトサロンですが、今回はエントランスで行いました。
来場者は50人(幼児、関係者を除く)で、ぎっしり満員でした。
演奏者は新進気鋭の井上裕子さん。
ブログ・プロフィールは
http://lily-music.blogzine.jp/cembalo/2008/03/index.html
をご覧下さい。
まずチェンバロ(アコースティック)の演奏からです。旧西ドイツ製のザスマンでバッハ:ハ長調の前奏曲とフーガ(平均律1巻1番)、ラモーのガボットを演奏です。いっきにバロックの世界に誘われ18世紀の欧州の貴族社会のサロンの雰囲気に包まれました。
ザスマンの演奏が一旦終了し、弊社の技術部長がチェンバロの歴史や楽器の特徴などを軽妙なトーク?で語りました。いつものオヤジギャグは影を潜め技術者の本領発揮というところです。その音色は極めて魅力的であるものの調律や扱いの難しい楽器でる事を再認識させられました。
つづいてRolandのデジタル・ハープシコード(電子)C-30での演奏です。クープランの「神秘のバリケード」、続いてスカルラッティの「ソナタ」の演奏です。電子楽器と思えないリアルな音色で目を閉じて聴いていると、アコースティック・チェンバロの別の機種での演奏と勘違いするほどの自然な響きの音色でした。
特に、調律が不要な事や、色々な古典のチューニング(バロックピッチやベルサイユピッチ)にもワンタッチ対応している凄い鍵盤楽器です!コンパクトで持ち運びもしやすいので、演奏活動をする井上裕子さんもその音色や利便性に魅了されていると仰ってました。
最後の曲はイタリア協奏曲で、アンコールにフランス組曲5番のアルマンドを演奏されて、万雷の拍手の中なごやかな雰囲気を残しつつ無事に終了しました。
井上裕子さんはご自身いわく「弾丸スピード」の超技巧を得意とされてらっしゃいますが、今回はテクニックよりもバロック音楽やチェンバロという古典楽器をもっと身近に知っていただく機会として、皆さんに親しみ易い曲を選曲され聴き心地の良い演奏をされたと感じました。
今度はエントランスでのミニコンサートではなくて、是非サロンコンサートでいらして欲しいです!